私は、2年前に離婚調停を申し立て、結局不成立に終わりました。
不成立になってしまったら、その後どうしたらいいの?という点を共有していきます。
離婚調停不成立ってどういう状態?
離婚調停は、裁判でも審判でもなく、「お話し合い」です。
なので、いくらあなたが法律的・倫理的に正しいことを主張していて、
調停員全員の納得を得たとしても、
肝心の相手方(配偶者)が納得しなければ、不成立となってしまいます。
不成立となった場合、裁判所としてはこれ以上あなたの事件を取り扱う理由はないので、「取下書」を出すように言ってきます。
取下書が受理されると、離婚調停は初めから無かったことになり、調停の場で話し合われた事柄は一切効力を持ちません。
せっかく時間をかけて話し合ったのに、全てが無に帰するなんて、虚しいですよね。
離婚調停に弁護士は必要か
裁判と違って、調停は話し合いの場です。
私たちは、自分の経験したことや考えを自分の言葉で調停員の方にお伝えすればOK。
きちんと伝われば、調停員が第三者の立場から、相手やこちらを説得してくれたり、お互いの要求の妥結点を提案してくれたりする、という制度です。
調停員は3名いますが、最初から色々と話を聞いてくれるのは2名のみ。
調停が終わろうかというタイミングで「主任調停員」という一番偉い方が結論をまとめてくれるのですが、この方が裁判官若しくは弁護士なんです。
なので、私たちがじっくりお話をすべき2名の調停員は法律の専門家ではないことが多いため、私たちも普通に事情を説明すれば良いのです。
また、気になる養育費については、双方の収入と子供の数で概ね金額が決められています。
【養育費・婚姻費用算定表について】
(裁判所ホームページより)
https://www.courts.go.jp/toukei_siryou/siryo/H30shihou_houkoku/index.html
私は、離婚調停前に5人以上の弁護士さんに相談に行きましたが、
特別な理由がない限り、この表によって決められることが多いので、弁護士をつけなかったからといって養育費に影響があるとも思えない、とのことでした。
なので、一般的なパターンであれば、離婚調停で弁護士を頼む必要性は薄いと思います。
ただ、次のようなケースは、弁護士に依頼するメリットがあるので、予め無料法律相談などを利用して助言をもらった方が良いです。
弁護士に依頼するメリット
まず、養育費・婚姻費用算定表よりもかなり多めに養育費をもらうべき理由がある場合。
子どもが超高額な私立学校に通っているとか、自分の収入が今後、激減する予定であるとか・・
自分でうまく説明できそうもないけれど、このくらい貰わなきゃ困る!
という場合は、専門家によって主任調停員を説得してもらう必要があります。
同じ理由で、夫婦の共有財産は半分ずつに分ける、というのが基本的な考え方ですが、それだと不公平な場合や、
不動産を所有しており、財産分与の方法をめぐって揉めそうな場合も
離婚調停の時から弁護士にお願いするメリットがあります。
反対に、支払い能力がない場合も、弁護士にお願いした方が良いです。
支払い能力が不十分なケースでは、せっかく調停が成立しても、養育費の支払いを受けることができません。
なので、養育費を多少減額してでも、一括で支払ってもらうとか、
月々の支払額を低くして、ボーナス月で多めに支払わせるとか、工夫が必要になります。
こう言った工夫をする場合は、やはり専門家である弁護士からの提案の方が、調停員も安心して同意することができるため、話が早いです。
弁護士に依頼するデメリット
やはり、費用が高額になることです。
着手金と成功報酬で、勝ち取った養育費の半分が消えた、という話もよく聞きます。
また、離婚調停が不成立になり、離婚裁判に移行すると、またそこで新たに弁護士費用が発生します。
あと、これは人によるとしか言いようがありませんが、やっつけ感ありありの弁護士さんがいるのも事実。
私たちからしたら高額な弁護士報酬も、先生たちにとってみれば全然儲からない類の案件ですもんね。
調停不成立。その後どうなる?
さて、弁護士に依頼するにしてもしないにしても、相手が納得しなければ調停は不成立です。
不成立になったら、私たちはどうしたら良いのでしょうか?
離婚審判へ移行する場合も
離婚調停中、ほぼ両者の合意はできているのに、ちょっとしたことで折り合わない、という場合に、裁判官の判断で、離婚を成立させることができます。
これを「審判離婚」と言います。
裁判に比べて、圧倒的に手間も費用もかからないので、とても魅力的に思えますが、利用されるケースは極めて稀です。
99.9%折り合っているのに、どうでもいい0.1%で争ってて、「そこ、どーでもいいじゃん」という場合に限って、審判離婚が成立するイメージなので、まぁそうそうないだろうな、とは思いますよね。
離婚裁判へ移行する(訴訟提起)
どうしても離婚を成立させたい場合は、離婚訴訟を提起します。
訴訟提起となると、弁護士に依頼する必要があります。
もちろん、どうしても自分でやりたいという場合は法律上できなくはないですが、
また、裁判は調停と違って、話し合いではなく、書面によって裁判官を説得する場なので、裁判官と共通の言語を駆使し、共通の思考を持つ専門家でなければ、有効な説得が難しいという面もあります。
さらに、相手方の不倫やモラハラ等によって慰謝料を請求する場合は、専門家じゃないと適切な請求額を計算するのは難しいと思います。
裁判となれば、おそらく相手方は弁護士をつけてきますので、ここで弁護士費用をケチってしまうと、一生の後悔になりかねません。
なので、離婚裁判の際には、弁護士さんを依頼することを強くお勧めします。
参考までに、離婚裁判の裁判費用と弁護士報酬の相場を載せておきます。
- 裁判所への手数料(印紙代):約2万円
- 弁護士報酬(着手金:約20〜40万円、成功報酬:約30〜60万円+実費)
- その他郵便切手代など(裁判所に収める費用):約1万円
何もしない
不成立になったからといって、何かしないといけないわけではありません。
私のように、ほっとく、という手もあります。
ほっとけばどうなるのかというと、調停申立て前の状態に戻るだけです。
私の場合は、相変わらず別居生活をし、たまにラインで不平不満を言われる、みたいな。
でも、変わったことが2つあります。
① 養育費(婚姻費用)が支払われるようになったこと
②「卒婚」できたこと
① 養育費が支払われるようになった
① 養育費については、離婚調停と同時に「婚姻費用分担調停」といって「子育て費用を支払え!」という請求をしていたのですが、子育て費用については、離婚調停とは別に裁判所が判断してくれるんですね。
裁判所で決定した養育費(婚姻費用)については、相手方に支払い義務が生じるので、毎月きちんと支払ってくれるようになりました。
② 「卒婚」できた!
②「卒婚」とは、結婚を卒業することです。
「卒婚」の定義は様々ですが、私が意味しているのは、離婚はしていないが、共同生活は解消して、お互い恋愛や生活を自由に楽しむ、という状況です。
調停での話し合いによって、相手方の望みは、私の夫であることよりも、子どもの父親であることにこだわりがあることがわかったので、
そこを尊重する代わりに、お互いが夫婦であることによる縛り(共同生活を営むことやほかの人と恋愛しないこと)はなくしましょう、ということで折り合いがつきました。
今では、私はもちろん、相手も自由に恋愛しています。
これは、合意できて本当に良かったと思っていることの一つです。
離婚が不成立となった上に、恋愛まで制限されるとすると、お互いもっとつらい日々を送っていたと思います。
離婚調停不成立になっても大丈夫!
離婚調停を申し立てた以上、不成立になるのはショックだと思います。
でも、今は心の安定を一番優先させるべきです。
また、お子さんがいる場合は、子どもの心を一番優先しなければ、のちのち後悔することになってしまいます。
離婚はいつでもできますし、離婚調停が不成立になったからといって、また相手と一緒に生活しなければならないわけではありません!
焦って不利な離婚条件で決着するよりも、別居生活をしながら自分とお子さんの気持ちの安定を待って、冷静になってから動き出しても全然遅くないと思います。
そこで別居生活期間がながびけば、それだけで離婚事由になりますしね!
じっくり考えてから次の一歩を踏み出してくださいね。同じ立場の者として、応援しています!